BOPビジネスの本まとめ

ボランティアやってるとこで勉強しようかみたいな話になったので。
紹介文やレビューからまとめてみる。ちなみに全部読んでない。

BOPとは

ベイス・オブ・ザ・ピラミッド(英語: base of the pyramid)は、世界の中で、所得が最も低いが人口では多数を占める層である。ボトム・オブ・ザ・ピラミッド (bottom of the pyramid) と同義。いずれもBOPまたはBoPと略す。主に、未開拓の市場という意味合いで使われる。
国際金融公社 (IFC) と世界資源研究所 (WRI) は2007年、購買力平価で年間所得が3000米ドル未満をBOP(ベイス・オブ・ザ・ピラミッド)と定義した。この層の人口は約40億人で世界人口の約72%、購買力換算での市場規模は5兆ドルで日本1国のそれにほぼ等しい(いずれも2007年当時)。
最近はボトム・オブ・ザ・ピラミッドと呼ばず、ベイス・オブ・ザ・ピラミッドを用いることが多い。この層を新たな顧客・ビジネスパートナーとするBOPビジネスが2009年より日本でも注目を浴び始めている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%94%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%89

バイブル的なの

ネクスト・マーケット[増補改訂版]――「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略

概要:

  • 途上国の貧困層向けビジネスは、先進国でのそれとはやり方がことなる
  • 貧困問題は、真っ当なビジネスをやれば解決できる

前半がBOPビジネスの内容、後半が事例という構成。
治安やインフラが十分でない地域にはアプローチ不可とも。

目次:

Part 1 序論
企業と貧困――この5年間で変わったグローバル経済のルール

Part 2 知られざる巨大市場
1 経済ピラミッドの底辺に眠る市場
2 BOP市場におけるイノベーション
3 世界規模のビジネスチャンス
4 富を創造する経済エコシステム
5 市場を機能させる条件
6 社会を変革する経済開発

Part 3 CEOからの手紙
各界リーダーはBOPをどう見ているか

Part 4 ケーススタディ
1 ジャイプール・ラグズ――農村を組み込んだグローバル・サプライチェーン
2 カザス・バイア――信用販売でBOPの「消費力」を高める
3 セメックス――貯蓄プログラムを通じて住宅を供給する
4 ヒンドゥスタン・ユニリーバ(1)――ヨード欠乏症と闘うマイクロ起業家
5 ヒンドゥスタン・ユニリーバ(2)――官民連携で手洗い習慣を推進する
6 ジャイプール・フット――生きる希望を与える義足
7 アラビンド・アイ・ケア・システム――すべての人に世界レベルの眼科医療を
8 ICICI銀行――マイクロファイナンスが経済全体を変える
9 ITC eチョーパル――貧しさゆえの制約をネットワーク力で打破する
10 EIDパリー――市場を開放するインターネット・キオスク
11 ボクシーバ――25億台の電話とインターネットで感染症を防ぐ
12 E+Co――BOPの起業家を支援しエネルギー問題を解決する
13 アンドラ・プラデシュ州政府――eガバナンスが生んだ社会変革

Part 5 ビデオクリップ(付録CD-ROM)

未来をつくる資本主義[増補改訂版]――世界の難問をビジネスは解決できるか

具体的事例を交えて先進的な多国籍企業NGOの事例を使って、BoPにおける組織、マーケティング、戦略と幅広いトピックについて分かりやすく説明している。

ネクスト・マーケット』と並んで紹介されているが、どちらかというと企業の視点寄りな印象。
2012年発売の全面改訂、新章追加版で、今回まとめた本の中では一番新しい。

目次:

■第1部 世界を俯瞰する
プロローグ ポスト危機時代の資本主義
第1章 企業責任からビジネスチャンスへ
第2章 衝突に向かう世界
第3章 持続的価値ポートフォリオ

■第2部 環境保護を超えて
第4章 環境技術と創造的破壊
第5章 ボトムアップ型のイノベーション
第6章 ピラミッドを底上げする

■第3部 土着化する
第7章 活動領域の広い企業へ
第8章 土着力を身につける
第9章 イノベーション戦略を再埋め込みする
第10章 持続可能なグローバル企業をつくる
エピローグ 未来を見据えて

日本人の書いた本

BoPビジネス戦略 ―新興国・途上国市場で何が起こっているか

BoPビジネス戦略 ―新興国・途上国市場で何が起こっているか
野村総合研究所 平本 督太郎 松尾 未亜 木原 裕子 小林 慎和 川越 慶太
東洋経済新報社
売り上げランキング: 116,048
大丈夫。野村総研経済書だよ。

本書では野村総合研究所の気鋭のメンバーが、日本企業向けに、世界の社会的課題解決型のビジネス事例を示し、新興市場の経済成長をチャンスに結びつけるための具体的な方法を解説する。

日本の事例+日本企業が成功するためのノウハウなど。

 本書の中でとりわけ参考になると思ったのは、第2章の最終節で語られているチェックリストである。BoPビジネスに成功するためのノウハウが簡潔にまとめられている。
・現地の社会問題(MDGsで定義されている8つのグロバール・イシューなど)を解決する性能・品質を備えていること
・デザイン面では、直感で理解できること、現地生産保守ができること、現地に適正な技術レベルであること
・現地で受け入れられ、現地サプライヤーの利益が確保でき、継続性を維持できる価格設定であること
・先進国での考え方をゼロにして、現地のニーズを徹底的に理解すること
・現地やステークホルダーへ収益機会の提供、権限委譲、技術移転をし、現地の発展をともにすること
・現地で信頼されている人材の活用、バリューチェーンを補完できる組織とのパートナーシップ、現地人材の能力向上などを考慮すること

目次:

第1章 BoPビジネスの定義と意義
1 BoPビジネスとは何か
(1)BoPとは何か?
(2)BoPビジネスとは何か?
2 BoPビジネスの意義と可能性
(1)BoP層・地域社会にとってのBoPビジネスの意義
(2)企業にとってのBoPビジネスの意義
(3)各ステークホルダーの変化とそれぞれにとってのBoPビジネスの意義
第2章 BoP層の実態とBoPビジネスの事例
1 BoP層の実態
(1)消費者・仕事の担い手としてのBoP層
(2)BoP層の製品・サービスに対するニーズの特徴
(3)BoP層を取り巻くビジネス環境の変化
2 BoPビジネスの事例と特徴
(1)BoPビジネスの発展を支える三大要素
(2)日本企業に見る萌芽事例
(3)セクター別にみる欧米企業の先進事例
(4)BoPビジネスの創造に向けたチェックリスト
第3章 企業のグローバル戦略としてのBoPビジネス
BoPビジネスの戦略
(1)企業がBoPビジネスに着目する背景
(2)BoPビジネスで出遅れている日本企業
(3)経営陣の意識改革による“企業存続投資”の遂行
(4)新興国・途上国市場進出を成功させるための組織能力
(5)BoPビジネスを担う人材の条件とその確保方策

BOPビジネス入門―パートナーシップで世界の貧困に挑む

BOPビジネス入門―パートナーシップで世界の貧困に挑む
菅原 秀幸 大野 泉 槌屋 詩野
中央経済社
売り上げランキング: 210,448
大学の先生著。
日本企業の事例や、途上国での官民連携など。

プロローグ

Part1 BOPの基本理解―今までのビジネスとは何が違うのか
第1章 なぜいま、BOPビジネスなのか
第2章 開発からBOPビジネスをみる
第3章 BOPビジネスが組織を変える

Part2 BOPビジネスのケース―パートナーシップをいかに作るか
第4章 すでに挑戦してきた日本の企業
第5章 新たに挑戦を始めた日本の企業
第6章 開発プロジェクトをBOPビジネスにつなげる

エピローグ

出してるところが面白い

世界とつながるビジネス――BOP市場を開拓する5つの方法

世界とつながるビジネス――BOP市場を開拓する5つの方法
国連開発計画(UNDP)
英治出版
売り上げランキング: 209,892
国連(UNDP)が出してる。
UNDPが実施したBOPビジネスの事例紹介とその分析。
レビューを見ると、あまり深みはなさそうな感じ。

目次:

1 すべての人に価値をもたらす―利益と幸福を生むビジネスチャンス(ビジネスチャンスは貧困削減のチャンス
インクルーシブビジネスの制約要因)
2 BOP市場開拓の5つの戦略(製品とビジネスプロセスを貧困層に適応させる
市場の制約を取り除くために投資する
貧困層の強みを活かす ほか)
3 ケーススタディ―インクルーシブビジネス実例集(伝統的なアグリビジネスを変革(ブラジル)
貧しい農民のためのコンピュータ(中国)
衛生的なトイレを作って不可触民を解放(インド) ほか)

アフリカBOPビジネス―市場の実態を見る

JETROが出してる。
レビューがないので目次以上のことがわからず。

目次:

第一部 BOPビジネス@アフリカ
 第1章 BOPビジネスとは何か
 第2章 アフリカにおけるBOPビジネスとCSR
 第3章 アフリカにおけるBOPビジネスの考察
第二部 BOPペナルティーと商品提案
 第4章 ナイジェリア
 第5章 エチオピア
 第6章 ケニア
 第7章 タンザニア

BOPの本じゃないけれど

貧乏人の経済学 - もういちど貧困問題を根っこから考える

貧乏人の経済学 - もういちど貧困問題を根っこから考える
アビジット・V・バナジー エスター・デュフロ
みすず書房
売り上げランキング: 31,545
開発経済学の本。
サックス(『貧困の終焉』)やイースタリー(『傲慢な援助』)に比べてミクロな現場レベルに寄った話題が多い。
小さな実験を繰り返して施策に反映していくのはリーンスタートアップっぽい。
あと山形さんの訳書だから面白そう。

目次:

はじめに

第1章 もう一度考え直そう、もう一度
貧困にとらわれる?

第1部 個人の暮らし

第2章 10億人が飢えている?
本当に10億人が飢えているのか?
貧乏な人々は本当にしっかり十分に食べているのか?
なぜ貧乏な人々は少ししか食べないのか?
だれも知らない?
食べ物より大事
結局、栄養摂取による貧困の罠は実在するのか?

第3章 お手軽に(世界の)健康を増進?
健康の罠
なぜこれらの技術はもっと利用されないのか?
十分に活用されない奇跡
健康改善願望
お金をドブに捨てる
みんな政府が悪いのか?
健康追求行動を理解する
無料は無価値のあかし?
信仰?
弱い信念と希望の必要性
新年の誓い
あと押しか説得か?
ソファからの眺め

第4章 クラスで一番
需要供給戦争
需要ワラーの言い分
条件付き補助金の風変わりな歴史
トップダウン型の教育政策は機能するか?
私立学校
プラサム対私立学校
期待の呪い
幻のS字曲線
エリート主義的な学校制度
なぜ学校は失敗するのか
教育の再設計

第5章 スダルノさんの大家族
大家族の何が問題か?
貧乏人は子作りの意思決定をコントロールするのか?
セックス、制服、金持ちおじさん
だれの選択?
金融資産としての子供
家族

第2部 制度

第6章 はだしのファンドマネージャ
貧乏のもたらす危険
ヘッジをかける
助け合い
貧乏人向けの保険会社はないの?
なぜ貧乏人は保険を買いたがらないの?

第7章 カブールから来た男とインドの宦官たち
貧乏人に貸す
貧乏人融資のやさしい(わけではない)経済学
マクロ計画のためのマイクロ洞察
マイクロ融資はうまくいくのか?
マイクロ融資の限界
少し大きめの起業はどうやって資金調達を?

第8章 レンガひとつずつ貯蓄
なぜ貧乏な人はもっと貯蓄しないのか
貯蓄の心理
貯蓄と自制心
貧困と自制心の論理
罠から抜け出す

第9章 起業家たちは気乗り薄
資本なき資本家たち
貧乏な人のビジネス
とても小さく儲からないビジネス
限界と平均
起業はむずかしすぎる
職を買う
よい仕事

第10章 政策と政治
政治経済
周縁部での変化
分権化と民主主義の実態
権力を人々に
民族分断をごまかす
政治経済に抗して

網羅的な結論にかえて

最底辺のポートフォリオ ――1日2ドルで暮らすということ

最底辺のポートフォリオ ――1日2ドルで暮らすということ
ジョナサン・モーダック スチュアート・ラザフォード ダリル・コリンズ オーランダ・ラトフェン
みすず書房
売り上げランキング: 359,104

本書は、バングラデシュ、インド、南アフリカ共和国の3国で暮らす最貧家庭の家計に現れたお金の流れを丹念な聞き取り調査を行ったものをまとめたものです。

南ア部分は元ケープタウン大学講師が書いてる。

目次

第1章 貧困者のポートフォリオ
第2章 骨の折れる日々
第3章 リスクに対処する
第4章 こつこつと積み上げる――まとまった資金を作る方法
第5章 お金の値段
第6章 マイクロファイナンス再考――グラミン II ダイアリー
第7章 よりよいポートフォリオ
付録1 ポートフォリオの裏話
付録2 ポートフォリオ抜粋

はポチった。

は図書館で借りる。とりあえず上の1冊から。