国際協力オタが非オタの彼女に国際協力NGO世界を軽く紹介するための10団体

元ネタ:アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本
まあ、どのくらいの数の国際協力オタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「オタではまったくないんだが、しかし自分が彼女の財布から金を抜いて寄付してるのを肯定的に黙認してくれて、
 その上で全く知らない国際協力NGOの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、国際協力NGOのことを紹介するために
紹介すべき10団体を選んでみたいのだけれど。
(要は「貧困の終焉」の正反対版だな。彼女に国際協力NGOを布教するのではなく
 相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、理解するのに過大な負担を伴う官民共同出資の団体は避けたい。
あと、いくら国際協力的に基礎といっても宗教色を感じすぎるものは避けたい。
NPO好きが空海の活動は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は

国際協力知識はいわゆる「ホワイトバンド」的なものを除けば、A SEED JAPAN程度は知ってる
国際貢献度も低いが、頭はけっこう良い

という条件で。
まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

プラン・ジャパン

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「プラン以前」を濃縮しきっていて、「プラン以後」を決定づけたという点では
外せないんだよなあ。国内NGOでもダントツの収入だし。
ただ、ここで里親トーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
この情報過多な団体について、どれだけさらりと、里親制度の功罪に寄りすぎず、それでいて自己資金確保の難しさを彼女に
伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。

国境なき医師団

アレって典型的な「オタクが考える一般人に受け入れられそうな団体(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのもの
という意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには
一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
NGOオタとしてはこの団体は“メディア”としてもいいと思うんだけど、率直に言って寄付どう?」って。

日本シルバーボランティアズ、世界の子供と手をつなぐ会

ある一定以上の年齢層が持ってる第二の人生への憧憬と、オタ的な世代考証へのこだわりを
彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにもセカンドライフ的な
「企業で身につけたスキルで社会貢献」を体現する退職者たち
「子育てから解放されて社会に復帰」を体現する母親たち
をはじめとして、オタ好きのする人材をちりばめているのが、紹介してみたい理由。

ほっとけない世界の貧しさ

たぶんこれを見た彼女は「ホワイトバンドだよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
アドボカシー系の団体がその後続いて大きなキャンペーンを打たないこと、アドボカシーが世界的に重要視されていること、
世界的にも大きなキャンペーンで、それが日本に輸入されたんだからうまくいってもおかしくはなさそうなのに、
日本国内でこういうのが失敗すること、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

シャプラニール

「やっぱり国際協力NGOは本人たちの自己満足のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「青年海外協力隊
でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、パートナーシップにかけるシャプラの思いが好きだから。
断腸の思いでパートナーシップ方式を選んでもモニタリングができないで直接方式に戻す、そしてまたパートナーシップへ、っていう遍歴が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、
その「直接現地で活動」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
パートナーシップを俺自身は活動が見えないとは思わないし、もう直接方式では効率わるいだろうとは思うけれど、一方でこれが
オックスファムやプランだったらあっさりパートナーシップ方式にしてしまうだろうとも思う。
なのに、理事会で散々もめて結論が出ず、結局パートナー団体から見切りをつけられる形でパートナーシップ形式になってしまう、というあたり、どうしても
「自分自信で作ってきた途上国との濃い関係が捨てられないオタク」としては、たとえシャプラがそういうキャラでなかったとしても、
親近感を禁じ得ない。団体自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。

オイスカ

今の若年層でオイスカ第2次大戦後のアジアの経済復興のため、早くから海外で活動していたことを知る人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
大阪万博よりも前の段階で、日本の国際協力NGOのわだちが作られていたとも言えて、
こういう時代から活動している団体が今も変わらず活動しているんだよ、というのは、別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくNGO好きとしては不思議に誇らしいし、
いわゆる洗練されたキャンペーンでしかNGOを知らない彼女には見せてあげたいなと思う。

JANIC

NGOの「ネットワーク作りの大切さ」あるいは「NGO業界に強い影響力を持ってしまったが故の苦悩」をオタとして教えたい、というお節介焼きから紹介する、ということではなくて。
「いくら援助しても問題は積まれ続ける」的な感覚がNGOには共通してあるのかなということを感じていて、
だからこそ各NGOが重要視しながら本業の二の次になってしまうネットワーク作りを担うのはJANIC以外ではあり得なかったとも思う。
「ミッションに取り組む日常を生きる」というNGOの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「各NGOの気分」はJANICに集約されてるんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、
単純に仲良くするのは大事だよねーと思ってもらえるかどうかを見てみたい。

日本リザルツ

これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういうNGOなのに政治にどっぷりつかり、自分たちのミッションを政策として形にする、それが非オタに受け入れられるか
「ぜんぜんNon-Governmentalじゃないじゃん」という気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。

SOS団

9団体まではあっさり決まったんだけど10団体目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にSOS団を選んだ。
プランから始まってSOS団で終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、ホワイトバンド以降の本格的メディア戦略時代の先駆けと
なった団体でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい団体がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10団体目はこんなのどうよ、というのがあったら
教えてください。
「駄目だこの一般人は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。