ロレアルのボディショップ買収に今更思う

奥さんが「ボディショップは関連企業が動物実験してるらしいからひどくがっかりした」というので調べてみると、

  1. ボディショップがロレアルに買収された
  2. ロレアルは相変わらず動物実験やってる&悪名高きネスレが大株主
  3. ボディショップの理念はどうしたの!

ということみたい。


僕はボディショップで買い物したことないけれども、動物実験反対や、DV反対、フェアトレードなどなど、あれだけ強いメッセージを表に出しながら、おしゃれな雰囲気は人一倍で、いろんなデパートにどんどん展開しててすげえなと思っていたので、これは残念に思った。


で、もうちょっと調べてみると、創業者のアニータは、その翌年に亡くなっている。


ここからは僕の推論なのだけれども。
アニータは、ボディショップを引き継ぐ経営者を育てられなかったのではないだろうか。その道で世界的に有名な企業だから、ビジョンを共有する人材には恵まれていたと思う。一方、それを経営にまで落とし込むとなると、難しい気がする。
NGOもそんなところがあり、創立者のカリスマがワンマンでどんどん団体を引っ張って活動も軌道に乗るけど、だいたいが独自の方法でやってるために次のリーダーが育たず、カリスマの引退と共に団体も尻すぼんでしまう、いわゆる世代交代問題。
ボディショップも、アニータの理念一つで立ち上がったような団体だから、それと似たような状態になったのではなかろうか。


さらに妄想を進めると、自分の死期が見えたアニータは、そんな状態で悩んだ挙句、ボディショップを確実に存続させることを考えて、ロレアルの買収案に乗ったのではないか。
アニータ亡き後も独立独歩を続ければ、経営者次第でボディショップは規模縮小、最悪潰れてしまう。
それよりも、理念に反することもあれど、ボディショップが生き残る道を選んだ。今の規模で生き残ることで、世の中に引き続きメッセージを発信でき、また取引先の途上国の雇用も維持される。


自らの清廉潔白を守るより、批判覚悟で社会がよりよくなるための道を選んだ。というのは、ちょっと贔屓目に見すぎかな。