アンケートお勉強メモ
今度JVCのボランティアチームで講座をやることになって、その会場でアンケートを採るんでアンケートについて勉強してみた。基礎の基礎レベルだと思う。統計とかめんどい。
参考にした本はこちら。
実務入門 図解アンケート調査と統計解析がわかる本―アンケート調査の企画・実査・集計から統計解析の基本と多変量解析の実務まで
- 作者: 酒井隆
- 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
- 発売日: 2003/09
- メディア: 単行本
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会場アンケートに関係なさそうなこと。でも意識しておいた方がいいこと。
アンケートで統計的に有意な結果を得ようとしたら、アンケートの母集団を決めて、そこからサンプリングする必要がある。でもイベントの会場アンケートでは、対象者は「来てくれた人」になる。その時点でバイアスがかかってて、その結果は統計的に有意なものにはならない。「ついでのアンケート」だからしようがない。
アンケート方法も、その特性を考えて選ぼうと、いくつかの方法とその特性が書いてあった。けど、これも会場で紙に書いてもらうアンケートなんだから、選ぶも何もない。そうそう、アンケートの種類に「会場アンケート」というのがあったんだけど、これは会場に来てもらってその場でサンプル使ってもらったり、質問票に回答してもらうようなもので、ついでのアンケートとしては参考にならない。
大前提:目的とPDCAサイクル
あたしはもうPDCAサイクルって聞くだけでヘコむんですが、それはそれとして。
まず何のためにアンケートを採るのか考えましょうと。そこがアンケートを設計する出発点になる。*1
目的を決めたら、それが計画全体のどの時点のアンケートなのか位置付ける。
会場アンケートだったら、主目的はそのイベントのcheck、さらに次のイベントへ向けたActionのための調査が目的になるんじゃないかな。
物事を測る尺度
物事をはかる尺度は4つに分類できる。
- 名義尺度
アンケート対象の持つ特性をはかる尺度。男性女性、好きな動物は何?とか。どの特性を持つ人がどれだけいたか、ということを調べる。
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- 統計の仕方:度数のカウント、度数の順位づけ
- 順序尺度
物事に順序をつける。選択肢の動物に好きな順位をつける、行きたい国から順に3つ、とか。順位に得点を対応させると、次の間隔尺度と同じように扱える。
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- 統計ー順位別度数(一位犬何人)順位の得点換算
- 間隔尺度
よくある、非常に満足、やや満足、みたいな尺度。統計的には一番使いやすい。
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- 統計ー度数のカウント、得点換算、分散・標準偏差などのデータのばらつき
- 比例尺度
単位のある数字を聞く。年齢、年収など。絶対的な基準があるもの。
-
- 統計は多様に可能。
態度を測る尺度:態度尺度(心理学用語)
態度をはかろうとする時には、態度を構成する要素のどれをターゲットに調査するかを考える。態度はいろんなレベルの行動に現れる。
- 認知要素
- 注目
- 知識要素
- 理解
- 特性判断
- 情緒・感情要素
- 興味
- 行為
- 記憶
- 意図要素
- 購入意図
- 確信
- 行動要素
- 購入準備
- 購入行動
これらを測るには、間隔尺度が用いられる。
質問文をつくるときの注意(抜粋)
- 意味や範囲などが不明確な言葉を使わない
- ときどき、しばしば、〜周辺、ここ
- 一つの質問で複数のことを聞かない。
- 面白くて役にたつ
- 個人情報に触れる質問は最小限に
- 生年月日より年齢、年代を
- ボリュームを調整する
- 質問数を減らす
- 必要のない対象者特性
- 回答にかかる手間
- 同パターンの質問の連続
- 回答形式をかえる
- 自由回答をプリコードに。
- 複数の質問を一つにまとめる。
- スクリーニングで対象者を絞る。
- 質問数を減らす
対象者特性を把握するための5グラフィックス。
回答者がどういう人なのかを知るため、この特性を意識して、必要と思う項目を採るようアンケートを作るといい。
- 人工統計的特性:性別、年齢、結婚の有無など、 必要以上にとらないこと
- 心理的特性:考え方、感じ方、関心、記憶、ライフスタイル
- 経験的特性:テーマと経験のある特性 海外旅行経験の有無など
- 地理的特性:居住地、最寄り駅など
- 特殊な特性:栄養ドリンクなら体力について測定する。調査テーマに応じて決める。
会場アンケートであれば、どういう人が関心を持ってくれたのかということを知るのは、大変参考になると思う。
集計作業の流れ
集計作業は面倒だから、やること決めてぱぱっとやっちゃえばいいじゃん。
- 用紙の最終点検と整理(エディティング)
- 入力ミスの訂正、乱筆の判読、適当に書いている回答票をはじく
- 自由回答のカテゴリー分類(コーディング)
- 分野別:お店の不満点はなにか?という質問で、でてきた回答を価格、デザインなどの分野に分ける。
- (価格)高い、価格差が大きい。
- 類似別:お店への要望を、値引き、品揃え、レジ公率化などに分ける。
- (値引き)特売日を増やして、タイムサービスをやって
- 評価別:印象を聞いた回答を、好意的、非好意的、中間的に分ける。
- (よい)きれい、感動した(悪い)イメージと違った。
- 分野別:お店の不満点はなにか?という質問で、でてきた回答を価格、デザインなどの分野に分ける。
※各カテゴリごとに、上記のような回答例があると集計しやすい。
- データ入力
- 単純集計
- クロス集計
最終的には集計結果をまとめて、これを材料に目的のことをやればいい。イベントの反省なら反省、次への課題とか、そんなの。
*1:目的のないアンケートは採る意味ない訳でもなくて、同じ形式で採り続ければいつかやる気のある人が解析するときに重宝したりするかも知れない。