ムッシュに教わったコーヒーの淹れかた。

札幌にいた頃、お気に入りの珈琲店に、ムッシュが居た。*1
ムッシュはコーヒーの修行を積んできた人らしかったのだが、一度その人にコーヒーの淹れかたを教わった。
僕のコーヒーの淹れかたは、それをベースに少し自己流でやっているところもある。今回はそれを紹介する。
何も特殊なことはしない。ペーパードリップできる環境があれば誰でも出来る。


1.豆を準備する。
ウチはろばやのダーク・ローストをよく使っている。
無農薬・有機栽培コーヒーの専門店 ろばや - オーガニック、無農薬・有機栽培、フェアートレード、自家焙煎コーヒー ろばや
フェアトレードだから。フェアトレードコーヒーのなかでは、わりと新鮮な状態で入手できるマメだと思う。
豆は豆状態のまま冷凍庫で保管しており、使うときに使う分だけ挽いている。グラインダーがなければ、お店で挽いてもらってそれを冷凍保存してもいい。毎朝コーヒーを飲んでいた頃は、1週間分まとめて挽いて冷凍していた。
豆の保存について、詳しくはこちらをご参照。
おいしいコーヒーを飲むために必要な、たった一つの大切なこと - reponの日記 ないわ〜 404 NotFound(暫定)
豆を挽く時は、あんまり速くやると熱を持って味が変わってしまうから、ゆっくりやった方がいい。


2.お湯を沸かす。
水の違いはよくわからないけど、ウチでは麦飯石を入れた水を使っている。水道水ならすこし煮沸してカルキくささを抜けばいい。


3.お湯通し。

コーヒーサーバーをセットして、フィルターに一度お湯を通す。たしか紙の匂いを飛ばすためだったと思う。
お湯はそのままサーバーに溜めて、サーバーを温める。

カップも温めておく。


ところでウチではペーパーフィルターじゃなくてミルカフェを使っている。ペーパーフィルターと同じように使えるけど布製なので使い捨てずに済む。
ミルカフェについてはこちらをご参照。
ミルカフェ、うちではこう洗ってます。 - the invisible child
ミルカフェだったら匂いを飛ばす必要はないけど、一度お湯を通しておいた方が美味く淹れれるような気がする。


4.お湯を冷ます。

淹れる用のお湯をポットに移して、少し冷ます。
ムッシュ「お湯の温度は、こうやって手をかざしてみて、熱っ!てならないくらいがいいよ。」
あと、ウチはドリップ用のポットがないので、どこから手に入れたのかわからないオイルポットを代わりに使っている。



5.豆をいれる。

説明不要ッ!豆を入れて平らにする。お湯を冷ましているうちにやるといい。
「コピ・ルアック」

『カモメ食堂』にかぶれるとこういうことをしがちですが、衛生的にどうかと思うのであまりオススメしません。


6.蒸らす。
少しお湯を注いで、2回に分けて蒸らす。

最初は500円玉くらいの円を作る。写真では少し失敗した。
で、10秒くらい待つ。

そのあと全体的にお湯を注ぐ。ゆっくり、サーバーに何滴か落ちる程度。フィルターに直接あたるほど外側からは注がないように注意する。
新鮮な豆だと、ここでドーム状に膨らむ。古い豆だと、凹む。
ムッシュ「酸味がそんなに好きじゃなければ、蒸らし時間を長くするといいよ。酸味が消えて深い味になる。時間は30秒くらいかな」
僕は今は1分くらい蒸らしている。コーヒーが古くなると酸味がきつくなってくるが、この蒸らし時間でだいたいおいしく飲めるようになる。


7.淹れる

ムッシュ「酸味を出さず、苦みの深いコーヒーを淹れるには、なるべく、ゆっくり、水の線を細くするように淹れる」
そのように。フィルターにお湯が直接かからないくらいの円を作り、まんべんなくお湯をあてる。
フィニッシュ時には、お湯がまだフィルタ上に残っている状態でドリッパーをはずす。お湯が最後まで落ちきるのを待ってはいけない。豆のえぐみもいっしょに落ちてしまう。


8.できあがり。


9.飲む。

タイフェスティバルで買ってきた、変なスイーツといっしょにいただく。スイーツまずい。
ムッシュ「たまにコーヒーの弟子にしてくださいと言ってくる人がいるんだけど、まずはそいつに自分なりの淹れかたで淹れさせてみるんだ。オレから見ると、あちゃー、そんなふうにしちゃだめだと思う淹れかたでも、飲んでみると意外と美味かったりするんだよ」
だから淹れかたなんて、その人なりでいいので、ここに書いてあることは忘れてそれぞれの道をゆけばいいじゃない。


ムッシュのお店、「簑島珈琲珈房 ムッシュ」はこちら。
http://www.asku.com/RV/010R/?_item_id=6201355&area_id=48
僕は社会人になってすぐのころ、半年ほど札幌に住んでいたことがある。社会人になってすぐなので、給料が入っていい気になってコーヒーに凝ってみたことがある。
凝るといっても、ただ『おいしい珈琲の事典』を買うくらいで、ペーパーフィルターの普通の淹れかただし、豆だってスタバや宮越屋の安い値段のやつを使う。
そんな時期、会社近くのこのお店が気に入って、よく豆を買いに行った。ここは豆を自家焙煎していて、上記の店よりもおいしく、しかも値段もあまり変わらない。
ムッシュお元気だろうか。

おいしい珈琲の事典―自家製エスプレッソから究極のテイストまで

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*1:かまやつではないよ