右脳英会話のワークショップは僕にすごい変化をもたらした。
右脳英会話のワークショップ2日間に参加したら、英語が嫌で嫌でしょうがなかった僕が、英語に触れるのが楽しくなってきた。この変化は僕のとってとても大きかったので、僕と同じように英語が嫌で嫌でしょうがない方の一助になればと思い、ここでの経験をまとめる。
特に、一般学生より英語ができない高専生に捧げる。
概要
「脳の右側で描け」というワークショップがある。一般的な絵の練習ではなく、右脳を使うことで非常にリアルな絵が描けるようになる。副作用として頭の使い方自体が変化するということもあり、企業、特にIT系の研修にも使われることが多い。
こちらの紹介記事がわかりやすい。
「脳の右側で描け」のワークショップ:小鳥ピヨピヨ
上記記事にもあるとおり、5dayと呼ばれるメインのワークショップ受講後に、1dayと呼ばれるフォローアップがある。そのフォローアップのひとつが、この「右脳英会話」だ。前置きが長い。
内容
右脳英会話は2日間ある。やった内容は以下。
- Jazz Chants
- 英語のよく使うフレーズをリズムに合わせたスキットや歌で覚える。
- 使われてるフレーズがおしゃれで皮肉が利いている。
- サンプルはこちら。
- 教材はこんな本とCD。セットで6000円くらいして高い。
- 作者: Carolyn Graham,Marilyn S. Rosenthal
- 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr
- 発売日: 2000/12/14
- メディア: ペーパーバック
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- 英語で今朝食べたものを紹介
- 2人1組で、互いの夢について(適当な夢でいい)インタビュー、それを英語で皆にプレゼン。
- 発音練習。手の動きをつけて英語のリズムを身にする。
- 仮想外人になって
- 自己紹介、会話
- 4人グループで、今晩のディナーをどうするか決める会話。
- グループ間でメンバーを入れ替え、互いのディナー計画をインタビュー。
- 元のグループにもどり、相手グループを迎えるレストランとなってメニューを考える。
- 互いにレストランに来たというシチュエーションで接客、注文。
合間合間にフィードバックの時間を取る。
フィードバック
フィードバックとは、受講者がワークショップの中で感じたことを話してみなと共有する時間で、小鳥さんの記事でも強調されていたが、この時間を多く取るのが齋藤先生のワークショップの大きな特徴だ。
このフィードバックを通して自身の経験が何倍にも膨らむ。色んなタイプの人が受講するので、自分と全然違う感じ方をしている人もいたり、共感を覚える人がいたり。前者からはまったく違う視点が得られるし、後者では自分に近い考えが言語化されるのでさらに先に考えがいく。先生も丁寧に聞いてアドバイスをくれるので、そこからさらにアイディアが発展したり気づきが生まれたりと、非常に有用な時間になる。
右脳英会話では、このフィードバックを通して、日本語と英語の違い、ひいては日本文化と英語圏の文化の違いについての気づきを得ることが重視されていたように思う。
さらに自分がどういう風に英語と関わっている時が楽しいのか、それを知ることでストレスのない自分にあった英語との付き合い方を見つける。これもフィードバックの中でよく出てきた。
僕の英語の苦手ぶり。
ここで個人的な話に移る。
僕は学生の頃、他の勉強がまあまあ出来た方だったが、英語だけはダメで、この授業のときだけ自分は出来ない子になった。それが嫌で嫌でしょうがなかった。当てられてダメぶりが露呈するのが特に嫌で、よく当てる先生を逆恨みした。
この感情は今でも残っていて、ワークショップ中鮮明に思い出した。自分が英語をしゃべる段になると、緊張して視界が狭まり、変わらず嫌な気分になった。他の人の英語が理解できないし、他の人ほどしゃべれない。やっぱり僕はここでもだめな子だと思った。
このワークショップは2日間あるのだが、1日目はあまりいい気分で終えられず、一緒に受けた妻と喧嘩までしてしまった。その節はどうもすみませんでした。
ワークショップを通しての変化
それが、ワークショップを終える頃には、もっと英語がしゃべりたい、もっと英語で話す僕の話を聞いてもらいたい、そんな気持ちになっていた。英語がワクワクすることになった。
これは僕にとって本当に奇跡的なことで、今でも信じられない思いがしている。前述の5dayのときよりも、脳の働きの変化を強烈に感じる。ワークショップ終了時には頭がくらくらして、それ以降、頭の中を英語がぐるぐる回っている感覚がある。
僕に取って大事だったワークショップの要素。
何でこんなに変化したんだろう、と、ワークショップを振り返ってみると、思い当たる要素が2つある。
- じっと待って聞いてくれる。
自分もそうだし英語が苦手な人は皆そうじゃないかと思うんだが、言いたい事があるのに適当な英語が見つからなくて言葉に詰まることが非常に多い。詰まっている間は必死に言葉を探しているのだが、そこにやたらと時間がかかる。
このワークショップでは、その時間じっと待っていてくれる。待たせてしまって申し訳ないというのはストレスになるが、言いたい事が言えないままになることはないので、そのストレスがない。この右脳系のワークショップでは基本的に否定される、非難される、怒られるという事がないので、だんだん英語をしゃべること自体に対するストレスがなくなっていった。
- 伝えたいことがあると、「英語をうまく」が二の次になる。
自分が伝えたいことがあると、使用言語に関わらず、それを伝えることが一番の目的になる。その伝えたいという思いが強ければ強いほど、そのために使う英語の上手・下手というのは意識から離れていく。どんな格好であれ、とにかく伝えよう。そのために使える言語が英語であれば、それでなんとかして伝えよう、そういう気持ちになる。
「英語はあくまでもツールだから、それを使う目的が大事」というのは初日から先生がおっしゃっていたことだが、僕は2日目にようやく実感できた。
2日目、仮想外人になって会話する、というのを8時間くらいやった。名前から始まって年齢や職業なんかを作り上げて行くのだが、僕はこの仮想外人を作るのがすごく楽しくて、自分の作ったキャラクター*1を伝えたくてたまらず、普段、日本語で話すときよりも饒舌になっていた。
I'm Jimi. I'm 70 years old. I'm bluesman. I play guitar in subway, NY. I got married 3 times, but now I'm alone. When I birth, I doesn't cry. I was birth with song. みたいな、超適当な英語で喋ってた。*2
とにかく伝えたい、と思うと、英語のうまい下手は二の次になって、どういう形であれ伝わればいいやと思う。いつも英語を話すときに意識していた、英語がダメな自分、というのが意識の外に飛んで行く。そういう状態で英語を話しているとき、僕はとても楽しかった。
ワークショップ後にやっていること。
- JazzChantsは買ったものの、そんなに聞いてない。
- 妻もいっしょにワークショップを受けたのだが、その妻との日常会話に英語を織り交ぜるようになった。
- 日常会話なんて大した話をしていないので、決まったフレーズを覚えるとそんなに不自由しない。
- Where is my bag! Here it is. I found it! Thankyou. My presure.
- 日常会話なんて大した話をしていないので、決まったフレーズを覚えるとそんなに不自由しない。
- シャドーイングに身が入るようになった。
- ここ1年くらいESLPod.com | Learn English With More Than 1800 Lessonsを聞きながらシャドーイング*3を続けていたが、ワークショップ後は集中して聞くようになった。
- 聞いている中で使えそうなフレーズが耳に引っかかるようになった。
こうして僕は、日常的に英語に触れることが楽しくなった。未だにその言い方はおかしいとか、なに言ってるかわからない、なんて言われるとイヤになるが。
こうすると自分が楽しいというのがこのワークショップでわかったので、それに沿って英語に接していれば、英語が喋れるようになるんじゃないかという感覚がある。
ブログを書くにあたって改めて思い出してみたが、すごいワークショップだった。