近代プログラマの夕とカレー

昔、月刊アスキーの中に、近代プログラマの夕(ゆうべ)という連載があった。編集長の遠藤諭が、ホーテンス・S・エンドウ名義で書いていたコラムだ。内容は、「本物のプログラマPascalを使わない」ネタや、「この醤油はユーザーインタフェースが悪いね」とか「支払いは3k円」、「ロクゴーゴンザブロ」みたいな独特の発言ネタ、カレーやドクターペッパープログラマの関係など、プログラマの生態的なものが多かった。


僕は中学まで北海道の田舎に住んでいて、地元で売ってるコンピュータ雑誌は月アスだけで、毎月買ってはいたものの、分厚い本の内容はほとんどわからなかった。わからないながらも、カオス理論ってすごいなーとか、ベンチマークのグラフかっこいいなーとか、98じゃなくてDOS-V欲しいなーとか思って読んでた。そんな僕にとって、このコラムは、月アスの中でも理解することができる貴重な記事だった。これを読んでいるうちにプログラマに憧れ、いまはSIerになり、人生を激しく後悔している。それはともかく、このコラムのファンになった僕は、連載を追いかける他、アスキーに単行本を注文して読みふけっていた。


旭川高専5年生になり、大学編入の受験のためはじめて上京した時、このコラムで取り上げられていたカレーを食べようと、アジャンタに行った。当時はジャワカレーの中辛くらいの辛さにしか免疫のなかった僕には、アジャンタのカレーは辛すぎた。はじめはすごい量の汗をかき、そのうちに寒くなって震えがきて、半分以上残してしまった。苦い(辛い)思い出だ。


その後、プーさんのカレーに鍛えられ、札幌でスープカレー屋を訪ね歩き、結構辛いカレーも食べられるようになった。今、そのカレーをもう一度食べたい。そう思って、お店の名前を確認しようとググったら、近代プログラマの夕のブログ版が引っかかった。
http://blogmag.ascii.jp/tokyocurrydiary/cat30/
読んでみたら、当時と変わらないテンションで、つい読みふけってしまった。さらに遠藤さんが、東京カレーニュースなるFBページを運営していることもわかった。そして件のアジャンタが、カレーランキングのトップを争っていた。
東京カレーニュース
僕も「いいね!」を押すとともに、キングオブフードであるところのプーさんのカレーに一票を投じた後、懐かしさに突き動かされてこのブログを書くに至った。


月アスはもう無くなって、ググってもバックナンバーの目次も出てこない。近代プログラマの夕の古本はまだ買えるようだ。実家には残っていたはずなので、今度帰省したら読み返してみよう。


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